一二〇〇年をゆうに超える、長い歴史を持つ京都には様々な歴史的事実があり、ある程度、その事実を知ることは大事ではあるのだろうけれど、それさえ知れば「京都の文化を理解した」と認定するのは早計に過ぎると僕は思う。寧ろ、こうした史実に表れない事象、言い換えれば、長い歴史の中で京都人が身につけてきた智恵、育んできた慣わしにこそ、学ぶべき真の京都文化があるのではないだろうか。そしてそれは、ペーパーテストで理解できるものではなく、京都の街を歩き、人と触れ合い、空気に馴染んで、はじめてわかるものなのである。
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次章からは、そんな観点から、京都という街を覗いてみようと思う。「歴史」という過去ではなく、今のいわば「生」の京都を知るための幾つかのキーワード。それを読み解けば、平成もはや一八年を数えた「今」の京都を極めることができるのは間違いない。